書いた人:職業指導員 山口
2021年7月に藤沢で開所の運びとなったフライトですが、昨日初めて湘南地域の就労移行支援・就労継続支援の連絡会に参加させていただきました!
本来であれば直接顔を見合わせて会議するというのが普通かと思いますが、今回はリモートで行われました。
画面越しで行われた事例紹介に関して、やはり学ぶことが多く、地域で連携していく必要があると改めて感じたため紹介させていただきます!
湘南地域の就労移行・就労継続支援の連絡会
湘南地域では本来、定期的に福祉事業所間での地域連携のために連絡会などを開催しているということは以前から聞いたことはありました。
しかし感染症のために直接顔を合わせて開催されていた会議が開けなくなり、最近はリモートで会議や連絡会を行っているようです。
今回の連絡会では、湘南地域にある就労移行支援事務所による事例検討が行われました。
就労移行支援の事業所の方々とは普段から連絡を取り合っていますが、事例に対してどのような対応をしたのかはとても勉強になりました。
就労という目標は人生のゴールではない
フライトは就労継続支援B型施設です。
就労継続支援B型施設は、一般就労や障がい者雇用を目指すための訓練の場です。
そのためもちろん、就労できる体力向上や障がい(自己)理解を深める、就労への仕事のスキルを上げるなどを図ります。
しかし就労という行為は人生における大きなウェイトを占めますが、人生における目的ではありません。
つまり、就労ができたらそれでOK!という訳ではないということですね。
今回の連絡会で紹介された事例では、一度障がい者雇用で就労したものの再び就労移行支援に戻ってしまった方の事例でした。
就労が決まったものの、企業が求める「戦力としてニーズ」と障がい者の方の「働くことや自己理解の足りなさ」の差が就労を継続できなくなった原因かと感じました。
一時的に良くなり採用されたからといって、それは就労という行為のスタート地点でしかありません。
いかに働き続ける地盤を、自分の中に持てるかが重要だと感じました。
相手に伝えることの難しさ
今回の事例の方は、障がい者雇用が初めてとなる企業への就職だったようです。
企業として障がい者の方を雇うことは、大きなチャレンジだったのではないかと思います。
そのため障がい者の方に
- 業務のこと
- 障がいのこと
- 体調が悪かった場合の対応の仕方
- 就労定着のためにどのような配慮が必要だったのか
これらのことが、すべて初めてだったということです。
そして企業からは、職場定着のために就労移行支援のスタッフを通して障がい者の方に伝えるようにしたようです。
しかし障がい者の方の尊厳を傷つけるかもしれないという理由から、就労移行支援のスタッフは企業からニーズをうまく伝えられませんでした。
結局、企業としては業務内容の不十分さや休みや休憩時間の過多から、雇いきれずに退職の運びとなりました。
この事例に関しては、一概に「これ」が悪いということは言えません。
- 体力や持病時に、まだ働く時期ではなかった
- 障がい者だから休憩や休みを取ってもしょうがないと思っていた
- 就労移行支援のスタッフが企業からの声を伝えきれなかった
就労が定着しなかった背景には、他にも色々な要素があると思います。
特に筆者も常々難しいと感じている中に、「相手にどのように伝えるか」ということがあります。
人は誰かの一言で精神的に救われることもありますし、逆に酷く傷つきます。
特に、障がい者の方々は言葉に対して敏感という印象を持っています。
そのため
- 言葉遣い
- 話す際の挙動
- 表情
- 相手との関係性
- 相手のその日の体調
- 相手が何を望んでいるのか
これらのことは、本当に考えて利用者さまと接しています。
それでも、相手が不快に感じてしまうということもあります。
今回の連絡会で知った事例は他人事ではないと感じました。
事例で知ったことから、自分が明日からできるものは何かということを考えさせられました。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
就労を目的とするだけでは足りない、相手にどのように伝えるかということを今回の連絡会で学ぶことができました。
いつも連絡を取っている就労移行支援の方々のさらに奥の部分を知れて、とても有意義でした。
そして今回の事例の方は結果的に就労継続支援につながったと話されていたことから、やはり地域の連携が必要だと感じました。
就労継続支援から就労継続支援A型施設や就労移行支援へ、その逆も然り。
藤沢市内だけでなく、湘南地域、ひいては神奈川県などの件単位の各事業所と連携する必要があります。
障がい者の方々に頑張らせるのではなく、スタッフや事業所単位で一緒に前に進んでいけるようにしていきたいです!