書いた人:職業指導員 山口
2021年8月3日現在、コロナウイルスの感染症者が爆発的に増加し、東京都に続き神奈川県も緊急事態宣言が発令されました。
振り返れば、2020年から今の状況は続いています。
未曾有の自体の中でも仕事をしないと生活が苦しい人はいます。
今回のような特異な状態の中で、障がい者の方々の就職状況はどうなったのでしょうか?
今回は2021年6月28日に神奈川労働局が発表したデータを見ていきます。
就労継続支援B型施設フライトにも関わる重要なことなので、ぜひ参考にしていただけたらと思います!
2020年度 神奈川県の障がい者の方々の新規求職申込件数
まず障がい者の方々の新規求職申し込み件数は12256人でした。
その内訳として、
- 身体障がい者:3056人
- 知的障がい者:2277人
- 精神障がい者:5508人
- その他の障がい者:1415人
内訳の割合は以下のようになります。
精神障がい者の方々が半数近くになりますね。
12256人という数字は大きいのでしょうか?
前年比となる2019年と比較すると、2019年度の新規求職申込件数は14095人でした。
つまり前年度比でいうと13%減ということになります。
コロナウイルスの影響により、求職活動ができなくなった人が2万人近くいたということになります。
ちなみに2020年度までは新規求職申込件数は上昇傾向でしたが、一気に急ブレーキという感じですね。
では次にハローワークを通じて就職できた件数を見ていきましょう。
2020年度 神奈川県のハローワークを通じた就職件数
2020年度に神奈川県のハローワークを通じて就職した障がい者の方々の総数は3579人でした。
内訳として、
- 身体障がい者:684人
- 知的障がい者:1080人
- 精神障がい者:1477人
- その他の障がい者:338人
内訳の割合は以下のようになります。
上記の割合はあくまで就職者数の中での疾患別となるため、求職申込件数に対しての疾患ごとの割合(就職率)を見てみましょう。
- 身体障がい者:684人(求職申込者件数3056人) → 約22.4%
- 知的障がい者:1080人(求職申込者件数2277人) → 約47.4%
- 精神障がい者:1477人(求職申込者件数5508人) → 約26.8%
- その他の障がい者:338人(求職申込者件数1415人) → 約23.4%
知的障がい者の人たちが抜きん出て高い割合となっています。
もっとも低いのは身体障がい者の方となっていますが、筆者が前年度も同様に調べたところ身体障がい者の就職率は2020年度はガクンと下がっていました。
コロナウイルスの影響を一番受けたのは、もしかすると身体障がい者の人たちなのかもしれません。
ですが全体的に見て、やはり2020年度のコロナウイルス感染症下の求職申込者件数も就職件数もかなり落ちたということですね。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
コロナウイルスの影響下は、予想はできていましたが神奈川県における障がい者の人たちの就職活動にも影響が出ていました。
上記したように、この記事を書いている2021年8月3日現在、神奈川県には緊急事態宣言が発令されています。
その宣言下において就職活動を積極的に行うことは難しいかもしれません。
ですがこれは仕方のないことですし、発想を転換させる必要があります。
こんな状況下だからこそ、就労継続支援B型施設フライトでは利用者さまたちにしっかりと生活の基礎的な力を底上げするように伝えています。
今だからできるこそ。
しっかりと働ける体力をつけたり、規則正しい生活リズムを整えたり、PCを使える技術や知識を身につけたり…
やれることを、しっかりとやっていきたいと思います。
ぜひ一緒に頑張ってコロナ禍を乗り越えていきましょう!(*^^*)